イタリア生活

オンラインバンクN26の口座が閉鎖された話

ネット上で送金

オンラインバンクN26の口座が閉鎖されることになりました。

家を購入するため日本の預金をイタリアの口座へ短期間のうちに移しすぎたのが原因だと思われます。入金方法は、Wiseです。

今回、私の口座を閉鎖するとのメールを受け取ったので、その経緯をご紹介します。

N26 口座閉鎖までの経緯

2020/05:口座開設
2020/06:100万 x 6回(日本の銀行からイタリアの銀行へ送金)
2020/09:100万 x 1回(日本の銀行からイタリアの銀行へ送金)
2021/01:100万 x 1回(日本の銀行からイタリアの銀行へ送金)
2021/06:100万 x 1回(日本の銀行からイタリアの銀行へ送金)
2021/08:100万 x 11回(日本の銀行からイタリアの銀行へ送金)
2021/11:100万 x 2回(日本の銀行からイタリアの銀行へ送金)
*これらの送金以外にも普段使いとしてこの口座から支出しています

2021/11に3回目の送金を行おうとした時に、送金のために使っていたWiseよりN26側の都合により入金できない旨のメールが来る。何度か試したが入金できなかった。

プレミアム口座ではなくベーシック口座を開設していたので、カスタマーサービスに電話で問い合わせはできず、チャットでカスタマーサービス担当者に状況を説明したが、ルーティーンの口座調査の対象になっているので待つようにと言われる。
理由、どれくらい時間がかかるかについては分かりませんとのこと。

知人にイタリア国内の別の口座から入金を試してもらうも、手数料11ユーロ取られたが入金はできず。一方、出金は自由にできる。

N26より口座閉鎖するとのメールがきた

なんの連絡もないまま年は変わり、2022年2月1日N26より1通のメールを受け取りました。そのメールをそのままDeepLで翻訳したのがこちらです。

Kaoruさん、こんにちは。

お客様のデータの機密性とアカウントのセキュリティを確保するため、当社はアカウントと取引に関する定期的なチェックを行う義務を負っています。

お客様のお取引を確認した結果、当社は、一般取引条件「N26当座勘定」第5.2項に基づき、正当な理由によりお客様とのIBAN当座勘定関係を終了し、お客様のN26口座を閉鎖する予定であることをお客様に通知する義務を負います。解約の効力は、次の日に発生します。

15.02.2022

重要:お客様のアカウントは一部使用可能です。本日より、クレジットを受け取ることができなくなります。

N26データまたは経費明細書のダウンロードは、口座閉鎖から6ヶ月以内に行う必要がありますが、忘れることのないよう、今すぐダウンロードすることをお勧めします。

ご協力をお願いいたします。

よろしくお願いします。
N26 Bank GmbH、イタリア支店

入金が多すぎたというのは明らかだったので、しかたありません。N26に預金していたお金を全て別の銀行へ送金し、2/15の閉鎖を待っている状態です。

一般取引条件「N26当座勘定」第5.2項とは

閉鎖する理由となった一般取引条件「N26当座勘定」第5.2項の翻訳がこちら。

本条に定める期限は、正当な理由がある場合には適用されないものとし、この場合、当行が通知した契約解除は直ちに効力を生じるものとします。 例として、また限定することなく、以下のような場合に正当な理由が存在します。 -顧客が、銀行が利用可能にした支払手段の使用において不正または過失があった場合、顧客の資本、財務および経済状況に悪影響を及ぼす事象が発生した場合、または銀行のリスクに影響を及ぼす事象が発生した場合。 -お客様が当行に対して虚偽の申告をし、または当行が知っていれば契約を締結しないように仕向けたであろう事実または情報を提供した場合 -当行とお客様の信頼関係に影響を与える事実があった場合 -差止命令、民事・刑事罰などの措置またはお客様の個人の自由を制限する措置がとられたことがある場合 2 銀行がこの契約を撤回した場合、当座預金は閉鎖され、当座預金に関連するすべてのサービスの提供が中断されます。ただし、これらのサービスの場合、可能であれば別の方法でその継続について合意する可能性を損なうものではありません。 契約からの離脱は、常に支払額の全額の支払いを要求する権利も伴うものとします3。 当行が本契約を解除した場合、前項の解除通知により解除の効力が発生した日以降に、本契約に基づき受けた注文を履行する義務はないものとします。

想像ですが、差止命令、民事・刑事罰などの措置またはお客様の個人の自由を制限する措置がとられたことがある場合に該当したのではないかと思います。

なぜ今?

2020/06の時点で同月に6回の送金を行なっているにもかかわらず、なぜ今なのでしょうか。

ネットで調べているとこれかなと思われる記事を発見しました。
https://www.antiriciclaggiocompliance.it/antiriciclaggio-n-26-sotto-il-controllo-di-un-speciale-supervisore/

それによると、ドイツ金融市場監督局(BaFin)は、N26にマネーロンダリング防止手続きの実施を監視する特別監督官を派遣することを決定したとのことです。この記事は2021年の6月のものなので、その監督のもとマネーロンダリング防止のためのチェック体制が整ったのではないかと思います。

口座閉鎖という結果を受けての反省点

自分の口座からお金を送金しただけなので、何も悪いことはしていないんですが、確かにマネーロンダリングを疑われても仕方のない送金歴であるとは思います。

もし事前に銀行とコンタクトを取り、この期間にこれくらいの額を送金する予定であることを報告していたら、何らかの助言をいただけていたかもしれないなと残念に思っております。N26のUIは使いやすくてとても気に入っていたので…。

会計士に事後相談したところ、銀行に事前連絡・何回もに分けずに一度に送金したらよかったねと言われました。為替レートのいい時を狙って送金していたので、この時期にこの額を必ず送金するというのは中々難しいのと、Wiseは1回100万円が限度となっているのでこうなってしまったんですよね。まぁ良い経験になりました。

多額の送金をしようとしている皆様、前もって銀行に連絡をし、事前相談をしておくことをお勧めします。