長い名前ですが、壁の外のサンタ・アニェーゼ聖堂という意味です。
ローマは昔、壁に囲まれていました。墓地は壁の内側に作ることを禁止されていたので、壁の外に作られました。この聖堂は地下墓地の上に建てられています。
まず目を引くのは、祭壇の上の黄金のモザイクです。ビザンティン様式のものです。真ん中が、聖アニェーゼ。ナヴォーナ広場にも聖アニェーゼに捧げられた教会があります。
聖人を描くときはよく殉職した時に使用されてものが一緒に描かれます。彼女の場合は、火あぶりにされて殉職したとか剣で刺されて殉職したなど言われていて、このモザイクを作るときにははっきり分からなくなっていたので、炎と剣両方描かれています。
この建物の下には地下墓地があり、ガイドさんと一緒に見てまわることができます。地下墓地はバチカン領なので、写真は禁止でした。中に一歩足を踏み入れると、ジメッと生ぬるい空気が漂っています。
ものすごく大きいです。道も幾つにも分かれていてガイドさん付きでないと回れないのも納得。迷子になります。まだ人骨がそのまま残っていたり、見たこともないような色の薄い大きな蜘蛛がいたりここでしかできない経験ができました。
面白かったのは、コスタンティヌスがマクセンティヌスとの戦いの前に見た勝利を暗示されたシンボルというのがキリスト教の初めてのシンボルであったということです。十字架ではなくこれがコスタンティヌスが見たものかと、これを見て戦争に勝てると思うんだなとファンタジーの世界に入ったような気分になりました。
コスタンツァの霊廟
サンタ・アニェーゼ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂のすぐそばに、コスタンティヌス帝の娘か孫のコスタンツァの霊廟があります。
ここにも色が少し控えめなモザイクがあります。バチカン美術館にある石棺とほぼ同じスタイルものもが置かれています。人も少なくゆっくりモザイクや天井のフレスコ画を眺められる時間の流れの遅い場所です。
ローマの中心からは少し離れていますが、メトロAの駅のすぐそばなのでよかったらぜひ訪れてみて下さい。地下墓地の見学は一見の価値ありだと思います。