美容室で考える移民問題

コラム

先日、髪を切ってきました。近所の美容室に行ってきたんですが、そこで移民が増え続けるイタリアの現状をよく表した会話があったので、これを機会に現状を整理してみたいと思います。

八百屋さん、花屋さんにガソリンスタンド

美容室で待っていた時、私の前に髪を切ってもらっていたおじさんが「君はロマーナ?」と聞いてきました。ロマーナとはローマ育ちの人のことを言います。外国人全開の容姿をしている私はそんなことは聞かれたことがなかったので、冗談だと思いイタリア人ですらないよと答えましたが、彼は真面目に前君みたいなアジア系だけどローマで生まれ育ってローマ弁を話す子にあったから君もかなと思ってとのこと。

確かに、中国からの移民はかなり多く、ローマの中心にあるヴィットリア・エマニュエーレ駅周辺は完全に中国人の街となっています。聞くところによると何年も前ですがお金持ちの中国人が一帯を買い上げ、イタリアに渡ってきた中国の人に売っているのか賃貸なのかわかりませんが、住まわせているそうです。あの辺りのイタリアの建物に中国のお店の看板という不思議な組み合わせは独特な雰囲気を醸し出しています。

また美容室に話は戻って、最後髪をセットしてもらっている時、美容師さんの大学生の娘さんが帰ってきて話をしています。美容室の隣にあったピザ屋さんをよく利用していたようですが、数日前にオーナーがイタリアの人から外国の人に変わったようです。娘さんは「ここも外国人に変わってしまったの?じゃもうまともなピザは、えー本物のイタリアのピザは食べられないんじゃ。。。」と、私がいるので角の立たない言い方に変えましたが、彼女の言い分も分かりますよね。日本でどうみても外国の人がオーナーのお寿司屋さん、割烹料理屋ができたら美味しいのかの前に何が出てくるんだろうと思ってもおかしくありません。とにかく、どこのお店も外国の人にオーナーが変わることがよく起こっています。

優秀なイタリア人は外国へ働きに出ていってしまい、国内の仕事は外国の人がかなり目立っています。街に出るとよく見る花屋はエジプト人が、小さなコンビニのようなお店はバングラディシュ人、八百屋はどこだったか忘れてしまいましたが、どこかの国の人がよく似たようなお店を開いています。移民保護の法律で移民が店を開く時、2年間はある税金を払わなくていいというもがあるそうで、2年が経とうとすると店を閉じ、オーナーを変えてまた開店するという問題があります。その分、商品を安くすることができるので、そこで買う人も増えています。となると、税金を払っているイタリア人オーナーの店の状況は厳しくなります。

生活を良くしようとイタリアにやってきた移民の人が悪いとは思いませんが、ここまで数が増えてくると個人だけの力ではどうにもならず、政府にどうにかして欲しいところですが、お世辞にも機能しているとは言い難いです。

移民なしに回らない分野

一方、移民なしには回らない分野があります。それは老人の介護の分野です。多くの高齢者は歩くのが不自由になってくるとバダンテと呼ばれるお世話係のような人を雇います。彼らに手を引かれて散歩や買い物をしている高齢者はたくさんいます。友達のように話している人も多く、人と会う機会が減りがちな高齢者と家事が得意な移民とがうまくマッチしていると思います。

移民として暮らす立場から

さて、一番いいのは共存ですが、養わなければいけない子供や親族が多くいる移民の人に2年目以降は税金を払いましょうといったところで変わる訳はなさそうだし、かといってこのままイタリア人の生活が厳しくなりお金を持った退職者がポルトガルやキューバといった生活費が安い国へ出ていってしまったら、より景気が悪くなりそうです。

個人レベルでは出来るだけイタリアのお店からものを買うようにして、仕事はネット経由で日本から受注というのが理想でしょうかね。イタリアの魅力を発信して観光客をイタリアに呼び込めると少しはこの国に還元できたらいいなと思ってます。今回はこの辺でおしまい。

コメント