ローマ街歩き

ネロ皇帝の黄金宮殿見学!VR付き

ドムス・アウレア内部

遂に前から行きたい行きたいと思っていたネロ皇帝の黄金宮殿に行ってきました。保護のため、ガイド付きのツアーのみで予約必須なのでなかなか行くことができなかった場所ですが、VRを使って当時の様子を再現したツアーが行われていてそれが2018年8月末までということで最後に滑り込みで予約しました。

(**再度延長されて18年12月30日までの土日にVR付きツアーが開催されています。この後も延長されそうな気がしますので、興味のある方は確認要です)

今ローマでは多くの遺跡で、映像を使って当時の姿を見ることができるイベントが多く行われています。私が行ったのだけでも、アウグストゥスのフォロ、カエサルのフォロ、ローマ式ドムスとこの黄金宮殿。次狙っているのがコロッセオで行われているVRを使った催し、その名もSangue e Arena(血と競技場)。残酷そうだけどなんか見てみたい。期間限定のこともあるけど色々面白い催しが開かれているので要チェックです。

ネロ皇帝の黄金宮殿

ネロ皇帝の黄金宮殿の遺跡

前置きが長くなりましたが、今回は黄金宮殿です。ネットで予約し、1時間前にはチケット売り場でチケットに交換するよう書かれたメールを受け取ったので1時間ほど前に到着しましたが、そんな必要なし。10分前くらいで大丈夫です。

ヘルメットをかぶっていざツアー開始。中は天井の高い要塞のような雰囲気の建物です。とにかく巨大。ガイドさんが地図を見せてくれ、今日歩くコースを説明してくれます。

ネロ皇帝の黄金宮殿のフレスコ画

神話をテーマに描かれたフレスコ画などの説明を受けながら進みます。中は冷んやりとしていて何か羽織るものを持って行った方がいいですね。

ネロの自殺の後、元老院によってネロの記録を全て抹消し、存在そのものを消し去ってしまうダムナティオ・メモリアエが行われており、その何代ものちの皇帝トラヤヌスがこの宮殿の上にトラヤヌス浴場を建てたのでその壁がこの遺跡の中に多く残っていて要塞感を高めています。

ネロ皇帝の黄金宮殿のグロテスク画

そしてこれ。見たかったグロテスク画を遂に見ることができました!!ローマガイドを作っていてサンタンジェロ城やヴァチカン宮殿などでグロテスクが出てくるたび、この起源はネロ皇帝の黄金宮殿だということを再三訳してきましたが、遂に多くの偉大な芸術家に影響を与えたグロテスクをこの目で見ることができました。

グロテスクとは、古代ローマを起源とする異様な人物や植物・動物を曲線で描かれた模様と組み合わせて描かれた美術様式。

イタリア語で洞窟のことをGrottaと言いますが、この黄金宮殿が寂れて洞窟のようになった時にこの模様を発見したので、そこからグロテスクと呼ばれるようになりました。

VR装置を使って当時黄金宮殿の姿を見る

VRでネロ皇帝の黄金宮殿がどのようなものであったか見ているところ

上の写真をよく見てください。VRのゴーグルを着けて当時の黄金宮殿の様子を見ているところです。これは前のグループの様子ですが、みんながゴーグルを着けてそれぞれ頭を動かしながら座っている様子は少し笑えます。

画質はまだまだ改善の余地がありましたが、すごい。実際こんなだったというのが視覚を通して体感できます。SAOの世界までだいぶ近づいているのが感じられました。

黄金宮殿ツアー終盤、ピントゥリッキオのサイン

ネロ皇帝黄金宮殿、アキレウスの部屋

いくつかの部屋がありますが、そのうちの1つ「アキレウスの部屋」です。天井の中央に描かれているのはアキレウスと母親、そしてトロイ戦争に参加するようアキレウスを呼びに来たオデュッセウスです。

そのあとの部屋に、とても見にくいですが偉大な画家ピントゥリッキオのサインが残っています。偉大な画家でなければ、落書きと呼ばれていたでしょう。

最後に

コロッセオが立っている場所がこの黄金宮殿にあった人工池だということからも分かるように、とにかく巨大な建物で、現在残っているのもほんの一部ですがそれでもツアーは1時間15分ほどかかりました。残っている壁画は少ないものの2000年ほど前にこんな建物を建てることができる文明があったんだなと感慨深いです。ぜひオススメなのでよかったらチェックして見てください。

 

https://www.coopculture.it/en/heritage.cfm?id=51